「月5万円で暮らす」と聞いて、どんな生活を想像しますか?
切り詰めてギリギリ、我慢だらけの毎日──そんなイメージを持つ人が多いかもしれません。でも実際に読んでみると、そこにあったのは想像とはまったく違う、静かで満ち足りた暮らしでした。
今回は、隠居人リョウさんの『月5万円で杵築市セミリタイア生活 ― 少ないモノとお金で、ラクに生きる方法』から、じぶん自身の生活に役立つヒントをまとめます。
この記事では、特に前半部分の「生き方・働き方」に焦点を当てています。
結論:「年100日だけ働き、残りは自由」という生き方は実在する
先に本書のポイントをまとめると、こうなります。
- リョウさんは冬の約100日だけ季節労働で年収約90万円を稼ぎ、残りの季節はのんびり暮らしている
- それが成立するのは、家賃1万円台の街で月約5万円の生活を組み立てているから
- しかもそれは我慢の生活ではなく、健康的な食事・十分な睡眠・図書館通いという満足度の高い暮らし
「働く量を減らすには、まず生活費を下げる」。この原則を、ここまで振り切って実践している実例はなかなかありません。
同じく低コスト生活の実践者・大原扁理さんとの比較も交えながら、順番に見ていきます。
リョウさんの暮らし:静かで淡々として、でも豊かに
リョウさんの生活サイクルはとてもシンプルで、静かで、無理がありません。特徴をまとめると以下のとおりです。
- 年収90万円
- 冬の間だけ沖縄・南大東島の製糖工場で季節労働
- 月の生活費は約5万円
- 朝食は玄米・味噌汁・納豆・漬物の健康ルーティン
- 図書館で哲学書を読んだり、無料コンテンツを楽しむ
- 夕食は肉なしの野菜炒め
- 1日8時間睡眠
- HSP気質で、人と会うのは年数回ほどの距離感がちょうどいい
静かで落ち着いた生活の中で、満足度が高い。このバランス感覚が魅力に感じました。
「何もない日常」が幸せだと気づける理由
リョウさんの価値観を形づくったのは、東日本大震災の経験。ライフラインが止まり、「当たり前の日常」がいかに尊いかを強く実感されたとのことです。
- お風呂に入れる
- トイレが使える
- 食べ物がある
- 寝る場所がある
これらの”普通”が実は大きな幸せだと気づける視点は、じぶんにも深く共鳴しました。
季節労働+自由時間という働き方
リョウさんの働き方はとてもユニークです。
- 12月中旬〜3月末の約100日だけ働く
- 沖縄の製糖工場で日勤
- 年収は約90万円
- 本州が真冬でも沖縄は20度前後で快適
- 春〜秋の長い期間はのんびり暮らす
働く時期が固まっているので、残りの期間がまるごとフリー。これが精神的にも体力的にも負担が少なく、生活リズムも安定するのが特徴です。
大分県杵築市での生活コストの低さ
リョウさんが暮らす大分県杵築市は、家賃1万円台の物件が普通に存在する街です。
しかも、
- 風呂あり
- トイレあり
- フローリング
- “昔ながらの古い家”ではなく、普通のワンルーム
という条件でこの価格帯。
周囲にはドラッグストア・スーパー・コンビニもあり、都市ほどではないにせよ生活の不便さは少なめです。
バスは少ないため、中心地〜駅の移動は工夫が必要ですが、自転車でも何とか暮らせるレベルとのことです。
大原扁理さんとの比較で見えてくるもの
リョウさんと同じく「少ない収入で豊かに暮らす」代表例として、大原扁理さんがいます。両者の特徴を比較すると──
| 項目 | 大原扁理さん | リョウさん |
|---|---|---|
| 年収 | 約90万円 | 約90万円 |
| 働き方 | 東京郊外で週2ヘルパー | 冬だけ沖縄で季節労働 |
| 住まい | 家賃2万円台 | 家賃1万円台 |
| 人との距離感 | ゆるい・無理しない | ほぼ接触なし |
| ライフスタイル | 通年ゆる働き | 集中して働き、その後のんびり |
どちらも「無理しない」を徹底している点が共通。ただ、働き方のアプローチは対照的で、とても興味深いです。
通年で少しずつ働くか、短期集中で働いてまとめて休むか。同じ年収90万円でも、自分の気質に合わせて選べるということです。
じぶんの生活に取り入れたいポイント
じぶんは現在、基礎生活費を月9万円に固定し、「ミニマム+定額サブスク」の生活を実践しています。
そんなじぶんが、リョウさんの生活から特に参考になった点は以下のとおりです。
- 健康的な食生活(玄米・味噌汁・野菜中心)
→ 食費を抑えつつ身体の調子も整う。 - 睡眠時間を削らない生活リズム
→ 高コスパな”健康投資”。 - 静かな環境・刺激の少ない暮らし
→ 通常の刺激はほどほど、必要な時は増やしていく距離感。 - 図書館や無料サービスの活用
→ 支出ゼロ〜低コストで満足度が高い。 - 数ヶ月単位で働いて、残りを自由に使う生き方
→ 派遣・単発バイトとも相性がよく、今後の選択肢にしたい働き方。
また、杵築市のように家賃が安い街なら、じぶんの「月9万円生活」はより余裕が生まれます。
ただし、配当金通知書が届くタイミングや郵便物の転送方法の問題など、長期滞在の実践には工夫が必要だと感じました。
まとめコラム:働く量より、どう生きたいかを基準にする
最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- リョウさんの生活は「月5万円」でも成り立つ、ミニマムで豊かな暮らし
- 沖縄の季節労働で年90万円を稼ぎ、残りは自由時間
- 杵築市は家賃1万円台の物件多数で、生活コストが圧倒的に低い
- 大原扁理さんと比較すると、「通年ゆる働き」と「短期集中」という対照的な選択肢が見えてくる
- じぶんの「月9万円+複数収入源」スタイルでも再現可能な要素が多い
月5万円生活の話を読むと、”生きるためにそんなに多くを必要としていないのでは?”と改めて感じます。
静かで、健康的で、無理しない暮らし方。数ヶ月働いて、あとはゆっくり。自然体で、自分のペースを守りながら淡々と暮らす。
じぶん自身も、これからの生き方を考えるうえで、“働く量より、どう生きたいかを基準にする”ことの大切さを感じました。
ミニマムで穏やかな生き方のヒントをくれる、とても良い本でした。
